第1章 はじめに

1-1. まえがき

『未来予測2015-2030』を2014年9月に上梓してから2年あまりが経過した。これを元に全国を巡り、たくさんの方々と「未来」について話し合い、さまざまなフィードバックをいただいた。「サステイナビリティ」「クラウド・コンピューティング」「ライフ・イノベーション」という3つのメガトレンド。そして、その向こう側に広がるさまざまな新しいビジネス。このレポートで提示した「未来」は正しかった、と私は確信を深めている。 改めてレポートを読み返してみても、シナリオに古さは全く感じない。しかし掲載した経年データは古さが目立つようになってきた。一方で、日々新しい出来事が起こっており、同じテーマでも注目すべきト ...

1-2. なぜ「未来」を考える必要があるのか?

過去の延長線上に未来はない どの業界を見渡しても、「今のまま続けていれば10年後も大丈夫」と言える企業がほとんどなくなっている。エレクトロニクスメーカー、自動車メーカー、電力・石油・ガス会社、放送局、広告代理店、新聞社、出版社…。「この先も安泰」と言い切れる企業はどれくらいあるだろうか。これほど多くの業界が、同時多発的に将来が見えなくなったことがあっただろうか。これはなぜか。社会の構造的な変化が起こっているからである。 「人口は自然に増える」、「物価は毎年上がっていく」など、普段はあまり口に出さないが多くの人々が「暗黙の了解」と認識していることがある。しかし、今までそうであることを前提としてい ...

1-3. 「未来予測レポート」とは何か?

未来予測レポートは、ビジネスを考えるための「リアルな未来像」 「未来予測レポート」シリーズは、経営者や戦略スタッフを読者として想定した法人向けのレポートである。中長期戦略を立案する際に、その前提となる「将来の世界観」と「変化のシナリオ」を提示することを目的としている。10年先、15年先という長期レンジで、「世の中」全体がこれからどのように変わっていくか、「リアルな未来」を提示することを狙っている。 将来どのようなビジネスに取り組むべきかを考えるためには、その前提としてリアルな将来の世界観が必要となる。中長期戦略をチームで考えるためには、議論の前提となる共通認識をしっかり持つことが重要である。 ...

1-4. 「未来予測レポート」の使い方

「面」としての年表、「奥行き」としてのレポート 「未来予測レポート」は年表とレポートの2つで構成されている。「未来予測年表」は全体の流れを俯瞰するため、「レポート」は情報を深堀するためにそれぞれ使ってほしい。これらから読み取れるのは「将来の世界観」と「変化のシナリオ」である。 「未来予測レポート」で重視しているのは「つながり」である。社会はさまざまな要素が互いに影響し合い、「立体的」に一つの世界を形作っている。いろいろな「点」は有機的につながった「線」であり、さらにそれが「面」や「立体」となって全体像として浮かび上がる──それが「将来の世界観」である。それが、時間と共にカタチを変えていくことに ...